ショートショート4「はいからなべとべとさん」
夜道を歩いていると、誰かに後をつけられているような気がしたことはありませんか?ひたすら歩いているとだんだんドキドキしてくる。それはべとべとさんのしわざ。真ん丸い体に三日月形の口、どこか愛嬌のある妖怪だ。ある男が夜道を歩いているとべとべとさんが後をつけてくる。「べとべとさん、お先にお越し。」というと「先に行くと暗くて歩けない。」というので、男は提灯を貸してやった。翌朝、男の家の前に提灯が返してあったそうだ。
夜道を後ろからついてくるべとべとさん。
道を譲ってあげると、いいみたいですね。
ただ、提灯も一緒に貸してあげないと歩けないようです。
もしも、あなたが会社から帰る途中、べとべとさんにあったら。
さぁ、どうなるでしょうか?
「やだなぁ、やだなぁ。後ろからつけられている気がするんだなぁ~。」
後ろを振り返っても誰もいない。
「ひょっとして、べとべとさん?」
勇気を出して先へ生かしてあげることにした。
「べとべとさん、お先へお越し。」
「先が暗くて前に進めない」
「マジか、どうしよう。。。そうだ、このスマホのライトで照らしながらいくといいよ。」
「ありがとう」
「かまわんよ。」
一安心していると、べとべとさんが戻ってきてこういった。
「道が分からん。ついでにグーグルマップも見せて。」