マイ・ファミリー総合カタログ

家族や子育てについてのカタログ

ちいちぇえ頃にはワシにも見えたが、そうかアンタらにも見えたんけぇ~。 Byトトロのおばあちゃん

レイチェル・カーソンをご存じだろうか?僕は「沈黙の春」という本が中学時代の教科書で紹介されたことで知っていた。「沈黙と春」というのは、農薬が環境に悪影響を及ぼすことを書いた本、だったように思う。学校の教科書の内容で覚えているぐらいだ。当時の僕としてもインパクトがあったのだと思う。しかしそれっきりだった。あれから、約20年が経った。僕は、偶然、レイチェル・カーソンが書いた本と出合うのであった。

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この本はレイチェルが甥っ子のロジャーとの生活を自然への探求と合わせて書かれて本だ。その一部をご紹介。

 

もし、あなた自身は自然への知識をほんのすこししかもっていないと感じていたとしても、親として、たくさんのことを子どもにしてやることができます。
 たとえば、こどもといっしょに空をみあげてみましょう。そこには夜明けや黄昏の美しさがあり、流れ雲、夜空にまたたあく星があります。

 

センス・オブ・ワンダー P26

 

 この本は全体がまるでひとつの詩のように語られている。きれいというより美しい本だ。さきほど紹介した文章は、僕がこの本のなかで好きなページのひとつだ。子どもが大人になる前に持っている感性。それを、美しい文章とともに思い出させてくれる。とてもすてきな本だ。

 

 僕も現在5歳と3歳のこどもたちに囲まれて楽しい生活をしている。もしも、あなたが僕と同じような状況なら、きっと何かを感じるものがあるはずだ。子育て中のかたは是非読んでもらいたい。できるだけ早く。

 

 それともう一つ、この本を読むうえで知っておいてもらいたいことがある。それは、レイチェル・カーソン自身が“どんな状況でこの本を書いたか?”だ。実は、この本を書いている時点で、自身の人生がそう長くないことが分かっていた。その中で、この文章を書いたのだ。実際、この本は未完のまま終わっている。それは、レイチェルの死後、友人たちによって出版されたからだ。

 この本は、ロジャーやこどもたちに対するレイチェルの愛であふれている。これはどういうことか?つまり、レイチェルは自分が死ぬことが分かっていたにもかかわらず、それでも、自分以外の人間のことを思い、愛していたのだ!これって、僕は素晴らしい人生だと思う。自分ももちろん大切だ。まずはそれでいいと思う。でも、自分よりももっと大切な人がいる。こういう人生って幸せな生き方だと思う。レイチェルとロジャー。この二人は、お互いがお互いを信頼し、尊敬しあっている関係だと思う。自分の人生の中に信頼・尊敬できる相手がいてくれること。これってすごく幸せなことだ。最後にもう一つ紹介して終わりにしたい。

 

このようにして、毎年、毎年、幼い心に焼きつけられてゆくすばらしい光景の記憶は、彼が失った睡眠時間をおぎなってあまりあるはるかにたいせつな影響を、彼の人間性にあたえているはずだとわたしたちは感じていました。
 それが正しかったことを、去年の夏、ここでむかえた満月の夜に、ロジャーは自分の言葉で伝えてくれました。わたしのひざの上にだっこされて、じっと静かに月や海面、そして夜空をながめながら、ロジャーはそっとささやいたのです。
「ここにきてよかった」

センス・オブ・ワンダー P15-P16

 

 

センス・オブ・ワンダー

センス・オブ・ワンダー

 

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