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家族や子育てについてのカタログ

世のオヤジへ忠告!「これを読んだら、家事は買ってでもしとけッ!」

 

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お久しぶりです。

ここ最近、少しは暖かくなってきましたね。もうすぐそこまで春が来ているような気がして嬉しいです。

さて、最近、こんな文章を目にする機会がありました。

それは、上原隆さんという方が書いた、『別れた男の家事』です。

 

友がみな我よりえらく見える日は (幻冬舎アウトロー文庫)

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 ↑この中に入ってます↑

まず、上原隆さんは「ノンフィクションコラム」というスタイルで文章を書いています。「ノンフィクションコラム」とは"無名の人が生活の中でグッときた話、実際にあった話"ということだそうです。

この「別れた男の家事」はいくつかの短編ノンフィクションコラムが集まった作品です。

何らかの形で離婚することになり、その後、どうやって家事に取り組んでいるのか?がリアルに綴られています。

これがまた、めちゃめちゃおもしろいですね。

上原隆さんの書く、哀愁漂う文章。そして、最後には一筋の救いが待っている文章。

僕はどうやら、ドハマりしたようです。

中でも、この話がお気に入り。

『パーティー大好き』

どんな話か、どうしても紹介したいのです(笑)

簡単に書くと、

主人公の高橋啓(46歳)は、とても几帳面で、小奇麗で、しかも器用な男です。それは服装にも現れているし、家事にもこだわりがあるようです。

家の中もまるで、モデルルームのように整っています。また、家事に関してもこだわりがあり、使い古しの歯ブラシを流しと風呂場においておき、蛇口の裏などを磨くとのこと。また、ミニ掃除機も完備していて、ちょっとしたごみを見つけたときなんかササッときれいにしてしまうそうで。。。

すばらしいですね!

ただ、この完璧で几帳面な性格は、結婚には向かなかったようで、このクオリティを当時の奥さんにも求めていたそうです。

当時は、家事には全然手を出さず、だけど、口の方はどんどん出し、奥さんの作ってくれた料理に文句を言っていたそう。

これでは、結婚生活は続けれないですね。

そして、独身となり、今では自分の綺麗な家にお客さんを招いてパーティーをするのが楽しみとのこと。

来てくれたお客さんへのもてなしはこんな感じです。

「この前はね。前菜で、なすのマリネ、トマトの上に山羊のチーズ、モッツァレラって言ったかな、それをのっけて手製ドレッシングをかけたもの、これもおいしいんです。それから、イカのトマトソース煮、ミネストローネースープ。オーブン物でポテトとミートソースとチーズを重ねて焼いたもの。まぁ、それを肉と称して食べてもらって、最後に我が家ではスパゲッティなんです。三種類ぐらい作るんです。にんにくと赤唐辛子、イカをからめたもの、子どもがいたらミートソースとかね。お客はワインを一本持ってくるのが義務なんです。」

うーん!招かれたい(笑)

かなり料理ができる男の人のようです。高橋さんは。

これだけ、家事にも料理にもこだわりがあり、自分で思うようにできるとそりゃ誰かを招いてパーティーをしたくなりますよね?

ただ、筆者が問いかけたこの質問への答えが、、、

とてもグッとくるんですッ!!!

長いけど、また引用。

パーティーが楽しいのは、やはり、食べさせる相手がいるからじゃないだろうか。

 

「料理なんか凝ってすごいもん作っちゃったりする時があるんです。その時、ひとりっていうのは、けっこう淋しい。

~中略~

たまに、ステーキなんか、いい肉買ってくるでしょ。ジャガ芋もちゃんと面取りしたヤツをつけて、人参もちゃんと茹でててね、クレソンなんかも添えて、サラダもつくり、スープもつくり、いいワインを置いてね、ナイフとフォークをそろえて、さて、とテーブルの前に座ったりしたら・・・・ダメですね。突然、涙が出そうになります。」

 窓の外が夕焼けになり、部屋の赤い壁を赤く染めている。私は立ちあがってお礼を言った。高橋も立ちあがると、玄関まで送ってくれた。
 
 このあと、今晩は何を食べるのだろう?

 

「冷蔵庫に鮭の切り身があったから、あっさりとお茶漬けでも食べようかな」

 


うわぁ、、、いいですね。。。

何という哀愁!!!

この文章がとても素敵で、何度でも読み直したくなるようです。

そして、いろいろ考えさせられますね。

例えば家事。

家事って、よく考えてみると、結婚していようが、独身だろうが、かならず誰かがしなければいけませんよね。

だけど、不思議と、結婚しているときは「家事」っていうけど、独身の時は「家事」とは言わないなぁと思いました。

僕は、ひとり暮らしを経験していますが、その時は「家事」とは言わず、「炊事洗濯」って言ってました。

なんで「炊事洗濯」だったのか。これに理由はありません。

ただ、なんとなく推測するに、男の一人暮らしの手前、「家事」と呼べるほどの仕事をしていないので、それに代わる言葉として、「炊事洗濯」にしたのではないかと思います。

そう考えてみると、あれから僕も結婚して、今は「家事」も積極的に参加している方だと思います。

結婚してからは「炊事洗濯」ではなく「家事」に参加をしています。

これの何が違うか、と考えてみると、

「炊事洗濯」は自分のためにするもの。

「家事」は誰かのためにするもの。

そんな気がします。

もちろん、ご飯を作ったり、洗濯をしたりと、仕事の内容は同じです。

だけど違うのは、そこに”自分以外の誰かがいてくれるのかどうか”です。

家の中で自分以外の誰かのための仕事がある。

家の中で自分以外の誰かの中での仕事が自分に与えられている。

今の自分の状況って、すごくありがたいし、ステキなことです。

そう感じました。

だから、世の中のお父さんたちへのメッセージ。

家事は、自分に与えられた大切な役目と心得て、

進んで引き受けましょう!

だって、よく言うじゃないですか。

「若いころの苦労は買ってでもしろッ!」って。

さもなくば、そのうち、いくらお金を払っても、させてもらえなくなるでしょう。

 

それはつまりこういうこと。

 

 

「洗濯干しても、干されるな!」

 

男はつらいよ。。。ね? (笑)