マイ・ファミリー総合カタログ

家族や子育てについてのカタログ

子育てで親じゃなくって大人になる。と思った話

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幸いという言い方が正しいのかどうかわからない。
僕たちは子どもに恵まれた。

だが、僕は結婚して間もないころ
妻とこんな話をした覚えたある。

「もしも子どもができなかったらどうする?」

僕たちの答えはこうだった。

「そのときは里親になろう!」

このとき、里親というものがどういうものかは

わかっていなかった。

ただ、僕たち夫婦の考えは一致していた。

夫婦によって考え方はいろいろだが
不妊治療というよりも
里親になるという方が強かったのを覚えている。

それは、特に宗教に熱心というわけでもないのだが

「子どもは天からの授かりもの」

という考え方があり

もし、僕たち夫婦の間に子どもができないのであれば
それは天の神様の

「君たちを必要としている子どもはすでにいるんだよ。」

というメッセージだととらえるようにしよう。

そういう話をした記憶がある。

そして、結婚してから3年がたち、僕たちの間に子どもを授かった。

それからさらに2年がたち二人目の子どもが生まれた。

今は、血のつながった子どもの子育てに奮闘している。

ただ、もし、あの時、子どもを授からなかったら?

僕たちはどうしていただろう。

そう、ふと、考えるときがある。

今と同じように、子育てに奮闘しているのだろうか?

最近読んだ本にこれがある。

「うちの子になりなよ ~ある漫画家の里親入門~」

この本を読んで、上に書いたようなことを思い出したのかもしれない。

この本はタイトルのとおり
漫画家の古泉智浩さんご夫婦が
不妊治療の末に里親制度を利用して
0歳の赤ちゃんの里親になり、子育てをするというが前半。

後半は、不妊治療のことや里親になるまでの出来事が書かれてある。

内容は文章と4コマ漫画で描かれており
特に0歳児の子育ての様子はコミカルな感じで描かれている。

なのですごく読みやすい。

ほんわかしているという感じか。
本を読んでいるうちに

「あぁ、自分もこんな感じだったなぁ。。。」

と共感できる部分が多かった。

この本はタイトル通りの内容だ。

だが、タイトル以上に心を揺さぶるメッセージが込められている。

僕はそう思った。

なぜか?

それは最後の部分に書かれてあった。

著者がある日みた夢が漫画で描かれている。

こんなシーンだ。

P192

奥さん「ほら見て 陽性だよ」

著者「まじかよ やったぞ!」

謎の人物「おめでとうございます。」

著者「ありがとうございます。あのー どちら様ですか?」

謎の人物「待望の実子の赤ちゃんですが
お腹の子が生まれたら今の赤ちゃんとは別れなくてはなりませんよ。」

P194

謎の人物「さあ、お腹の子と今の赤ちゃん どっちにしますか?」

著者「じゃあ この子にします」

夢の中で著者は里親である今の子どもを選んだ。

僕はこの本を電車の中で読んでいたのだが

涙を流さないようにするのに必死だった。

そして、僕はこの本からあるメッセージを感じたのだった。

それは

「人は子どもを育てることで親ではなく大人になるんだ!」

ということだ。

どういうことか。

大人になるってどういうことだろうか?

僕は、こう考える

大人になるとは

自分の命にかえても守るべきものがある

そう決心して生きることだ。

僕はそう思う。

最近ニュースなどで幼い子供の虐待事件がよく流れてくる。

親が自分の子どもに対して虐待をするのだ。

こんなニュースを見るたびに心が痛む。

血のつながった親子でも虐待をすることもある。

一方で、血がつながらなくても愛をもって子育てをする親もいる。

これって何だろう。

僕は思う。

子どもを育てれば親にはなれる。

ただ、親は子育てを通して大人にならなければならない。

誰だって、はじめは誰かの子どもだ。

そこから、自分にも育てるべき子どもができて親になる。

親になれば次は大人にならなければならない。

自分の命よりも大切なものがある。
自分の命にかえてでも守るべきものがある。

そう決心して生きる。

子育てを通して育っているのは親のほうだ。

よく言われる。

僕もその通りだと思う。

親は子育てを通して

大人になるのだから。